
2017年
出典
愚管抄
指示文
問三 波線部①~③を、それぞれ現代語訳しなさい。
波線部①
さて寛平は位につかせおはしましけるはじめより、「我が身は無下に聖主の器量にあらず」とて、「①とく降りなん」と常に昭宣公に仰せ合はせけるを、
副詞「とく」、動詞「降り」、助動詞「な」「む」の解釈
波線部②
十七の御歳、延喜元年に北野の御事はいできにけり。その事は、②帝ゆゆしきわが御ひがごと、大事を出だしたりとやおぼしめしけん、全て北野の御事、諸家、官外記の日記を皆焼けとて、焼かれにければ、確かにこのことを知れる人なし。
形容詞「ゆゆし」、名詞「ひがごと」の解釈、敬語本動詞「おぼしめし」の現代敬語への変換、助詞「や」、助動詞「けむ」の文法的意味解釈
波線部③
さりながら③八年まではえ取らせ給はざりけるにや。天神の霊の時平につかせ給ひたりけるを、浄蔵が加持して、したたかに責めければ、
2016年
出典
今昔物語集
指示文
問三 傍線部①~④を、それぞれ現代語訳しなさい。
傍線部①
この寺に夜半に入らむに、東西を閉ぢて、門戸守る人たゆみなく、たまたまに出入する人をば姓名を問ひ、行き所を尋ぬれば、①さらにずちなし。
呼応の副詞「さらに」、形容詞「ずちなし」の解釈
傍線部②
伝へ聞けば、人をすくひ給ふ道には②身をもむさぼらず、命をも捨て給ふ。
「身をむさぼる」の解釈
傍線部③
いかにいはんや、この玉を惜しみ給ふべからず。貧しきをすくひ下賤を助け給はむ、ただこれなり。③おぼろけにては仏の眉間の玉をば下ろすべしやは。
形容動詞「おぼろけに」の解釈、助動詞「べし」、助詞「やは」の文法的意味解釈
傍線部④
この玉売る者を捕へて、国王に奉りつ。召し問はるる時に、隠さずしてありのままに申す。④国王このことを用ゐ給はずして、かの寺に使ひを遣はして見せしめ給ふ。使ひかの寺に行きて見るに、仏頭をうなだれて立ち給へり。
「このこと」の指示内容の明示、動詞「用ゐ」の解釈、敬語補助動詞「給は」の現代敬語への変換
2015年
出典
平治物語
指示文
問三傍線部( a) ~( c) を、それぞれ現代語訳しなさい。
傍線部(a)
この子供にわかれて、片時もたへてあるべき身とも覚え候はず。( a) わらはをうしなはせ給ひて後にこそ、子供をば御はからひ候はめ。
動詞「うしなは」の解釈、助動詞「せ」の文法的意味解釈、敬語補助動詞「給ひ」の現代敬語への変換、名詞「(御)はからひ」の解釈、敬語本動詞「候は」の現代敬語への変換、助動詞「め」の文法的意味解釈
傍線部(b)
青きまゆずみ、ふかき涙に乱れ、嘆き日数を経て、( b) その人ともなくやせおとろへたれども、なほ世のつねに越えたり。見る人、これをあはれまずといふことなし。
「その人」の指示内容の明示、副詞「なお」の解釈、「世のつね」の解釈
傍線部(c)
( c) 母は子供が顔を、「今いつまで」とまもりて泣く。子供は又、たのもしからぬ母をたのみて、手にとりつきて見あげて泣く。互ひにつきせぬ涙のいろ、袖にあまりてせきあへず。
「今いつまで」につづき得る言葉を補って解釈する、動詞「まもり」の解釈
2014年
出典
古今著聞集
指示文
問三 傍線部①、②、③を現代語訳しなさい。
傍線部①
小殿いはく、「御不審候ふ事、もつともそのいはれ候へども、まづおぼしめし候へ。ただのしら人が強盗とみづから名乗りて①命をまかせまゐらせて何のせんか候ふべき」といへば、げにもことわりにて、くはしく問答するに、
敬語補助動詞「まゐらせ」の現代敬語への変換、名詞「せん」の解釈、敬語本動詞「候ふ」の現代敬語への変換、助詞「か」、助動詞「べき」の文法的意味解釈
傍線部②
さても②一期ことなくてあるべき身にても候はず。つひにはさだめてからめいだされて恥をさらし、かなしき目をこそ見候はんずれば、人手にかからんよりは、心と参りて、かつは年ごろの罪をもむくはんがために、頸をのべて参りて候ふなん
名詞「一期」の解釈、「ことなくてあるべき身」の解釈、助動詞「に」の文法的意味解釈、敬語本動詞「候は」の現代敬語への変換
傍線部③
いまは使庁の庁務停止したるなり。かつは聞きもおよぶらん。③年ごろつ
くりおける牢どもみなうちやぶりて仏所につくりなどして、一向庁務をとどめて、後世のことをいとなむなり。
副詞「年ごろ」の解釈
2013年
出典
平家物語
指示文
問三 傍線部①、②、③を現代語訳しなさい。
傍線部①
土肥次郎なさけある男にて、「①御一人ばかりは何事か候ふべき。さりながらも」とて、腰の刀をこひとつて入れてんげり。
敬語本動詞「候ふ」の現代敬語への変換、助詞「ばかり」、「か」、助動詞「べき」の文法的意味解釈
傍線部②
やや久しうあつて、昔今の物語どもしたまひて後、「さても②なんぢして物言ひし人は、いまだ内裏にとや聞く」。「さこそ承り候へ」。「西国へ下りし時、文をもやらず、言ひおく事だになかりしを、世々のちぎりはみな偽にてありけりと思ふらんこそはづかしけれ。
助詞「して」の文法的意味解釈、「もの言ひ」の解釈、「いまだ内裏に」に続く述語を補う
傍線部③
この人の声とおぼしくて、「……」とかきくどき、さめざめとぞ泣かれける。右馬允、③是にも思はれけるものをといとほしう覚えて、「もの申さう」と言へば、「いづくより」と問ひ給ふ。
助詞「に」「ものを」の文法的意味解釈、形容詞「いとほしう」の解釈
2012年
出典
松蔭日記「ゆかりの花」
指示文
- 問一 傍線部②、③、④をそれぞれ現代語訳しなさい。
- 問四 傍線部⑧について、
1 適切に言葉を補って現代語訳しなさい
問一 傍線部②
かかるほどに、十二日の夜中ばかり、にはかに、いと御気色かはらせ給ひぬ。②とみにおはしますべくとかしこより御消息聞こえたり。こはいかにと、聞き驚き給うて、御馬いそぎ奉りて、とりあへず参らせ給ふ。
形容動詞「とみに」の解釈、敬語本動詞「おはします」の現代敬語への変換、助動詞「べく」の文法的意味解釈、代名詞「かしこ」の指示内容の明示、名詞「御消息」の解釈、敬語本動詞「聞こえ」の現代敬語への変換
問一 傍線部③
何くれとして、いたう夜更けぬ。十二日の月は入りて、道のほどいとたどたどしきに、③まして心いられし給へば、常よりはいとどほど遠き心地して、まどひいそがせ給ふ。
名詞「心いられ」+動詞「し」の動作主の明示と解釈、敬語補助動詞「給へ」の現代敬語への変換、助詞「ば」の文法的意味解釈、副詞「いとど」の解釈
問一 傍線部④
おはしましても、なほさまざま残るところなく、いみじきことしつくさせて、あつかひ聞こえ給へど、異に④かぎりの御有様はしるくてやうやう甲斐なし。
「かぎりの御有様」の主体と解釈、形容詞「しるく」の解釈
問四 傍線部⑧ 1
つとめて、ほととぎすの鳴くを聞き給うて、
折しもあれかかるながめをほととぎす空に知りてや鳴く音そふらん
いみじう悲しきことに思したるもことわりになん。⑧御所にはかけても聞こえさせんやは。
呼応の副詞「かけても」の解釈、動詞「きこえさせ」の目的語の明示、助動詞「ん」、助詞「やは」の文法的意味解釈


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